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川北 博 著
定価:3,500円(税抜)
単行本: 407ページ
出版社: 日本公認会計士協会出版局
発売日: 2008/07
おすすめ度: 5つ星のうち
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所得拡大促進税制(平成30年度税制改正)
「所得拡大促進税制」は、従業員の給与を増加させた場合に、その増加分の一部を法人税(※1)から控除できる制度です。平成30年度税制改正において、適用要件や税額控除額が変更され、期限が3年間(※2)延長されました。平成30年4月1日以降に開始される事業年度(※3)から適用されます。
本改正により、中小企業と大企業で制度が大きく異なるようになりました。中小企業向けは中小企業庁による「所得拡大促進税制」、大企業向けは経済産業省による「賃上げ・生産性向上のための税制」を適用することになります。
今回は、中小企業向けの「所得拡大促進税制」について、改正内容を紹介します。
※1 個人事業主は所得税。以下同じ。
※2 平成33年3月31日までに開始される事業年度まで。個人事業主は平成33年分まで。
※3 個人事業主は平成31年分以降。
【改正により追加された要件の詳細】
1.上乗せ措置の適用要件A「教育訓練費増加要件」
(1)要件内容
教育訓練費が前年度より10%以上増加していること。
(2)教育訓練の対象者
国内雇用者(役員、使用人兼務役員、役員と特殊関係のある者、入社予定者を除く。)
(3)対象となる教育訓練費の範囲
① 法人等が教育訓練等を自ら行う場合の費用
外部講師への謝金、外部施設使用料等
② 他の者に委託して教育訓練等を行わせる場合の費用
研修委託費(委託先は商工会議所等の外部教育機関、一般企業等)
③ 他の者が行う教育訓練等に参加させる場合の費用
外部研修参加費、教育訓練等の一環として行われる資格試験等の受験手数料
(4)対象とならない費用
教育訓練に関する旅費、自社の人件費、教材購入費等
(5)教育訓練費の明細書の記載事項
① 教育訓練の実施時期(年月)
② 実施内容及び実施期間
③ 受講者の氏名
④ 支払証明(領収書)
2.上乗せ措置の適用要件B「経営力向上要件」
(1)要件内容
適用年度終了の日までに経営力向上計画の認定を受けており、経営力向上計画に基づき経営力向上が確実に行われた
ことにつき証明がなされていること。
(2)上乗せ措置が受けられる経営力向上の指標
労働生産性等、事業分野別指針により認定を受けている場合はその指針ごとの一定の指標(離職率等)
(3)税務申告の際に添付する書類
① 経営力向上計画の写し(コピー)
② 経営力向上計画の認定書の写し(コピー)
③ 経営力向上報告書(後日公開されるWEBフォームによる報告システムで作成)
(4)その他留意事項
経営力向上計画の実施期間が、適用年度終了月以前に開始となっている必要があります。また、適用年度開始時点に
おいて実施期間が終了している場合は、本要件を満たしません。その場合は、実施期間終了後に新たな経営力向上計画
の認定を受ける必要があります。
<参考URL>
【中小企業庁】所得拡大促進税制(中小企業向け)
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai.html
【経済産業省】賃上げ・生産性向上のための税制(大企業向け)
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/syotokukakudai.html