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川北 博 著
定価:3,500円(税抜)
単行本: 407ページ
出版社: 日本公認会計士協会出版局
発売日: 2008/07
おすすめ度: 5つ星のうち
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非居住者も住宅借入金等特別控除を受けられるようになりました
平成28年度改正において、住宅借入金等特別控除等の次に掲げる措置について、改正前の居住者が満たすべき要件と同様の要件の下で、非居住者が平成28年4月1日以後に住宅の取得等をする場合について適用できることとされました。
改正前においては、海外転勤者等が帰国を見込んで住宅を購入したとしても、非居住者が取得等した住宅については、住宅借入金等特別控除等の適用ができませんでした。
(1)住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除
(2)特定の増改築等に係る住宅借入等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例
(3)既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除
(4)既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除
(5)認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除 等
今回は、住宅借入金等特別控除について説明します。
≪住宅借入金等特別控除について≫
Ⅰ.概要
住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等(以下「取得
等」といいます。)をし、平成31年6月30日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たす場合において、そ
の取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所
得税額から控除するものです。
Ⅱ.適用要件
個人が一定の住宅を取得等した場合で、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるのは、次の全ての要件を
満たすときです。
(1)贈与による取得、配偶者及び一定の親族からの取得等でないこと。
(2)取得等後6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて居住していること。
(3)この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。
(4)新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住
の用に供するものであること。
(5)10年以上にわたり分割して返済する方法になっている取得等のための一定の借入金又は債務があること。
(6)居住の用に供した年とその前後2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など
の適用を受けていないこと。
Ⅲ.控除期間及び控除額の計算方法
(平成28年4月1日から平成31年6月30日までに居住の用に供した場合)
(1)控除期間:10年間
(2)各年の控除額の計算方法:
① 住宅ローン等の年末残高の合計額(※)×1%(100円未満切捨)
② 控除限度額 40万円(認定住宅新築等特別控除の控除限度額は50万円)
※住宅の取得等の対価の額(注1、2)が住宅ローン等の年末残高の合計額よりも少ないときは、その取得等対価
の額又は費用の額。
(注1)その住宅の取得等に関し、補助金等(国又は地方公共団体から交付される補助金又は給付金その他これ
らに準ずるものをいいます。)の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します。
(注2)住宅の取得等に際して住宅取得等資金の贈与を受け、「住宅取得等資金の贈与税の非課税」又は「相続
時精算課税選択の特例」を適用した場合には、その適用を受けた住宅取得等資金の額を控除します。
Ⅳ.手続き
住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、必要事項を記載した確定申告書に一定の書類を添付して納税地の所
轄税務署長に提出する必要があります。
また、給与所得者は、控除を受ける最初の年分については、上記のとおり、確定申告書を提出する必要がありますが、
2年目以後の年分は、年末調整でこの特別控除の適用を受けることができます。この場合、税務署から送付される「年末
調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除
申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を勤務先に提出する必要があります。
<参考URL>
【国税庁】住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)