宗和税理士法人は、税務申告書の作成から、組織再編成、事業承継税務、税務に関するデューディリジェンスに至るまで、幅広いサービスを提供しています。
川北 博 著
定価:3,500円(税抜)
単行本: 407ページ
出版社: 日本公認会計士協会出版局
発売日: 2008/07
おすすめ度: 5つ星のうち
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「平成26年分 年末調整の留意点」
本年もわずかとなり、そろそろ年末調整の事務を行う時期となりました。年末調整は、その年中に支払った給与について源泉徴収した税額の合計額を正当な年税額に一致させるための手続です。この年末調整によりほとんどの人はその年分の税額の精算がおこなわれ、翌年の確定申告の手続きが不要となるため、給与の支払者にとって重要な事務となります。
【年末調整の対象となる人】
年末調整は、原則としてその年最後の給与の支払をする時において「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人のうち、その年中の給与の総額が2,000万円以下である人について行います。対象となる人と対象とならない人は次の表のとおりです。
【昨年と比べて変わった点】
1.通勤手当の非課税限度額の引上げ
平成26年10月17日に所得税法施行令の一部を改正する政令(平成26年政令第338号)が公布され、通勤のため自動車などの交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。
この改正は、平成26年10月20日に施行され、平成26年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用されます。
(1)改正後の非課税限度額
改正後の1か月当たりの非課税限度額は、次のとおりです。
(2)改正後の非課税規定の適用
改正後の所得税法施行令第20条の2の規定(以下「非課税規定」といいます。)は、平成26年4月1日以後に支払われ
るべき通勤手当について適用されます。
なお、次に掲げる通勤手当については、改正後の非課税規定(所得税法施行令第20条の2)は適用されません。
① 平成26年3月31日以前に支払われた通勤手当
② 平成26年3月31日以前に支払われるべき通勤手当で4月1日以後に支払われるもの
③ ①又は②の通勤手当の差額として追加支給されるもの
(3)課税済みの通勤手当の精算
本年4月1日以後に既に支払われた通勤手当については、改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別
所得税の源泉徴収が行われていますが、改正後の非課税規定を適用した場合に過大納付となる税額は、本年の年末調整の
際に精算することになります。
なお、既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限度額以下である人については、この精算の手続きは不要です。ま
た、年の中途に退職した人など本年の年末調整の際に精算する機会のない人については、確定申告により精算することに
なります。
2.生命保険料控除等の改正
中小企業等協同組合法の一部改正に伴い、生命保険料控除および地震保険料控除が改正されました。
(1)生命保険料控除
生命保険料控除の対象となる共済契約の範囲に、共済協同組合連合会(火災共済の再共済の事業を行う協同組合連合
会)の締結した生命共済契約が追加されました。
(2)地震保険料控除
地震保険料控除の対象となる共済契約の範囲に、火災共済協同組合の締結した火災共済契約に代えて、火災等共済組合
の締結した火災共済契約が追加されました。
この改正は、平成26年4月1日以後に支払う掛金について適用されます。