宗和税理士法人は、税務申告書の作成から、組織再編成、事業承継税務、税務に関するデューディリジェンスに至るまで、幅広いサービスを提供しています。
川北 博 著
定価:3,500円(税抜)
単行本: 407ページ
出版社: 日本公認会計士協会出版局
発売日: 2008/07
おすすめ度: 5つ星のうち
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税務調査手続の明確化
納税環境整備に関する国税通則法(以下「法」といいます。)の改正を含む「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」(平成23年法律第114号)が、平成23年11月30日に成立し、同年12月2日に公布されました。
これに伴い国税庁は、改正内容のうち「税務調査手続の明確化」に関する点について、本年9月に「国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達」(以下「通達」といいます。)を発するとともに、一般納税者向け、税理士向けそれぞれに「質疑応答集」(以下「FAQ」といいます。)を公表しました。
税務調査には、選定、着手、終了、処分という4つの段階がありますが、そのうち税務調査手続の明確化が行われた部分は、納税者の目にさらされる部分、すなわち調査の着手から終了までの部分です。これらの改正は、原則として、平成25年1月1日以後に開始される調査から適用されます。
1 「調査」とは
2 事前通知(法第74条の9、第74条の10)
・ 病気・怪我等による一時的入院や親族の葬儀等一身上のやむを得ない事情
・ 業務上やむを得ない事情
3 質問検査権(法第74条の2~6、法第127条第2号)
4 物件の留置き(法第74条の7、法施行令第30条の3)
・ 直ちに返還すると調査の適正な遂行に支障がある場合には、引き続き留置きする旨とその理由を説明し、
しばらく返還を待ってもらうことがあること
・ これに納得できないときは、留置きを行っている職員が例えば税務署職員ならば税務署長に異議申立てが
できること
5 調査終了の際の手続(法第74条の11)
次の3つの点が法定されました。
以上のとおり、税務調査手続の明確化、法定化は、ただちに税務調査に大きな変更を生じさせる訳ではありません。ただ、税務当局の裁量の余地が減少する分調査の遂行に柔軟性がなくなるとともに、税務当局の手間が増える分調査に時間がかかることなども予想されます。
関係資料
税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)(PDF/275KB)