認定経営革新等支援機関(関東第3号認定)

宗和税理士法人

宗和税理士法人は、税務申告書の作成から、組織再編成、事業承継税務、税務に関するデューディリジェンスに至るまで、幅広いサービスを提供しています。

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利益が出る会社になるための税務マニュアル―正しい知識と制度の活用法

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 宗和税理士法人編

定価:3,360円(税込)

発行日:2011-06-21
A5判/284頁
ISBN:978-4-502-04200-3 

 

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私本 会計・監査業務戦後史 [単行本]

川北 博 著

定価:3,500円(税抜)

単行本: 407ページ

出版社: 日本公認会計士協会出版局
発売日: 2008/07
おすすめ度: 5つ星のうち 5.0 

 (1 件のカスタマーレビュー)

 

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被災した関連会社・取引先等を支援する場合の税務の取扱い

 

東日本大震災により、関連会社や取引先等が被災し、その復旧のために何らかの援助を行うケースも多いと思います。

通常時は、法人が取引先等に見舞金を贈ったり、売掛金の免除や無利息融資を行うと、税務上「交際費」や「寄附金」となりますが、震災等で被災した取引先等の支援を目的に行った場合には、税務上損金(費用)の額とすることができます。

 

 災害見舞金を支出した場合

■取引先等に対する災害見舞金

 被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程において行った災害見舞金の支出は、交際費等に該当しないものとして、税務上損金の額とすることができます。取引先の救済を通じて自らが被る損失を回避するための費用と考えられるからです。

 領収書の発行は求め難いと考えられますが、帳簿に取引先の所在地、名称、支出年月日を記録しておくことが必要となります。

なお、取引先の役員や使用人に対して個別に支出する災害見舞金は、原則として交際費に該当しますが、自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の役員や従業員に対して、自己の従業員等に対するものと同様の基準に従って支給するものについては、交際費に該当しないものとして取り扱われます。

 

■従業員に対する災害見舞金

 災害により被害を受けた従業員等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品は、福利厚生費として損金の額とすることができます。

 自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員に対して支給したものに関しても同様です。

 

■災害見舞金に充てるために同業者団体へ拠出する分担金

 災害見舞金に充てるために、自社が所属する同業者団体に拠出する分担金は損金の額とすることができます。ただし、災害損失の補てんを目的とする規約等に基づき、合理的な基準に従って賦課されたものでなければなりません。

 

 取引先に事業用資産を供与した場合

災害見舞金と同様に、事業用資産を供与する場合にも、税務上損金の額とすることができます。この場合の事業用資産には、法人が製造した製品のほか、他から購入した物品であっても、それが取引先の事業に利用されるものや、取引先の福利厚生の一環として利用されるものも含まれます。

 

 取引先の売掛金等を免除した場合

取引先への復旧支援を目的とした売掛金等(未収請負金、貸付金等を含む。)の免除は、寄附金や交際費等には該当しないものとして、税務上損金の額とすることができます。なお、既契約のリース料、貸付利息、割賦賦払金の免除など、従前の取引条件の変更についても同様に取り扱われます。

 

 取引先に低利や無利息で融資した場合

取引先への復旧支援を目的とした低利又は無利息による融資を行った場合には、本来受け取るべき利息と実際に受け取った利息との差額は、寄附金に該当しないものとして、税務上損金の額とすることができます。

 

①~④までの復旧支援を税務上損金の額とするためには、「復旧過程において行われる

支援であること」という要件を満たす必要があります。この「復旧過程」の期間の判断

については、実務上さまざまなケースが考えられると思います。これらの取扱いを適用

する場合には、その事案ごとにそれが復旧過程の期間内であったとする疎明資料を整理

しておくことが必要となります。

 

 自社製品等を被災地に提供した場合

不特定多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金又は交際費等に該当しないものとして、税務上損金の額とすることができます。

 

 被災した子会社等に従業員を派遣した場合

被災した子会社等が、独自の力で経営改善・再生することが困難なため、親会社等の社員がそれらの会社へ無償又は低価で出向し、又は派遣されて再生の支援を行う場合について、災害時の特別な取扱いは明記されておりません。よって、通常の取扱いと同様に、「業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われるもので、合理的な再建計画に基づくもの」であり、「相当な理由があると認められるとき」には、寄附金に該当しないものとして、税務上損金の額とすることができます。

 

 被災した子会社等を整理する場合

被災した子会社等の事業継続が不可能となり、親会社がやむを得ず子会社等を解散させ、一定の損失を負担することとした場合についても、災害時の特別な取扱いは明記されておりません。よって、通常の取扱いと同様に、「損失負担等がその後により大きな損失が生じることを回避するために行われたもの」であり、「社会通念上も妥当であると是認される事情がある」ときには、寄附金に該当しないものとして、税務上損金の額とすることができます。

 

⑥⑦の子会社等に対する支援や損失負担の妥当性に関する具体的なポイントについては、国税庁タックスアンサー「子会社等を整理・再建する場合の損失負担等に係る質疑応答事例等」に公表されています。

  

詳細な内容につきましては、当税理士法人の各担当にお問い合わせください。