宗和税理士法人は、税務申告書の作成から、組織再編成、事業承継税務、税務に関するデューディリジェンスに至るまで、幅広いサービスを提供しています。
川北 博 著
定価:3,500円(税抜)
単行本: 407ページ
出版社: 日本公認会計士協会出版局
発売日: 2008/07
おすすめ度: 5つ星のうち
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平成23年度税制改正関連法の成立
6月22日に国会で成立した平成23年度税制改正関連法(現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律)は、雇用促進税制など新たに導入された制度もありますが、今年3月31日で日切れとなる制度(中小企業の軽減税率など)を延長する措置のオンパレードとなりました。一方、そういった中で、納税者が不利となる改正がそこここに盛り込まれていたことが話題となっています。
法人税では、「仮決算をした場合の中間申告書の提出に係る見直し」です。
一定の普通法人は、その事業年度開始の日以後6ヵ月を経過した日から2ヵ月以内に中間申告を行うことが義務付けられています。ただ、中間申告を行わなければならない法人が、その事業年度開始の日以後6ヵ月の期間を一事業年度とみなして仮決算(所得の金額又は欠損金額を計算)をした場合には、その仮決算をした場合の中間申告書を提出することができることとされていました。
しかし今回の税制改正では、この仮決算をした場合の中間申告書について、①仮決算をした場合の中間申告書に記載すべき法人税の額が前期基準額を超える場合及び②前期基準額が10万円以下である場合(前期基準額がない場合を含む)には提出出来なくなりました。
消費税では、「課税売上割合が95%以上の場合の仕入税額控除の見直し」です。
事業者は、その課税期間の課税売上割合が95%以上の場合には国内で行う課税仕入れ等の税額の全額を仕入税額控除できることとされていました。
しかし今回の税制改正では、この課税仕入れ等の税額について、その課税期間の課税売上高が5億円(その課税期間が1年に満たない場合には年換算)を超える事業者においては全額控除をすることが出来なくなりました。
もう1点、「免税事業者の要件の見直し」です。
事業者は、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が 1,000万円以下である場合には、課税事業者を選択しているものを除き、免税事業者として消費税等の納税義務を負わないこととされていました。
しかし今回の税制改正では、①個人事業者の場合のその年の前年1月1日から6月30日までの期間や②その事業年度の前事業年度(一定の場合を除く。)がある法人の場合のその前事業年度開始の日以後6月の期間などにおける課税売上高が 1,000万円を超えるときは、その年及びその事業年度については、その事業者の消費税の納税義務は免除されないこととなりました。
この法律によるその他の改正項目の主なものは、次のとおりです。
・ 雇用促進税制
中小企業が従業員を10%以上かつ2人以上(大企業は10%以上かつ5人以上)増加させた場合に、1人当たり20万円の税額控除ができる制度。
・ 年金所得者の申告手続等の簡素化
・ グループ法人税制における株式評価に係る改正
・ 更正、決定に基づく還付加算金の計算期間の見直し など
なお、詳細な内容については、当税理士法人の各担当にお問い合わせください。